伝統的な単位、尺貫法(しゃっかんほう)まとめ
導入(はじめに)
日本は現在、世界標準であるメートル法(メートル、グラム、リットルなど)を使用していますが、日常生活の中には今もなお、古くから使われてきた伝統的な単位が数多く息づいています。「一升瓶」「畳一枚」「土地の坪数」といった言葉は、その代表例です。
これらの単位は「尺貫法(しゃっかんほう)」と呼ばれ、かつて日本で公式に使用されていた度量衡(長さ・重さ・体積の単位系)です。本稿では、この尺貫法の特徴や現代との関わりについて解説します。
目次
尺貫法の概要と特徴
尺貫法は、長さの基本単位「尺」と、質量の基本単位「貫」に由来します。もともとは中国から伝わった単位系で、日本では飛鳥時代(大宝律令)以降、広く普及しました。
- 基準: もともとは人間の体の部位(指の幅や腕の長さ)を基準(身体尺)としており、特別な道具がなくても直感的に計測できる利点がありました。
- 進法: 基本的に十進法で構成されているため、計算しやすい特徴があります(例: 1尺 = 10寸、1升 = 10合)。
主要な単位と現代の換算値
現代のメートル法に移行したため、現在の値は厳密に定められています。
| 分野 | 単位 | 読み方 | メートル法での目安 | 主な現代の使用例 |
|---|---|---|---|---|
| 長さ | 尺 | しゃく | 約30.3cm | 建築(尺モジュール)、和服 |
| 長さ | 寸 | すん | 約3.03cm | 尺八、一寸法師 |
| 長さ | 間 | けん | 約1.818m(6尺) | |
| 質量 | 貫 | かん | 3.75kg | |
| 質量 | 匁 | もんめ | 3.75g | 真珠の取引(国際標準) |
| 体積 | 合 | ごう | 180ml | 米、日本酒(一合瓶、一升瓶) |
| 体積 | 升 | しょう | 1.8L(10合) | |
| 面積 | 坪 | つぼ | 約3.3m² | 不動産・土地取引 |
豆知識:文化に残る尺貫法(4つの豆知識)
尺貫法の単位は、現代の文化や歴史の中に今も様々な形で残っています。
- 昔話の登場人物や道具:
「一寸法師」の名前は「一寸」(約3cm)から来ています。また、和楽器「尺八」は、標準的な長さが「一尺八寸」(約54.5cm)であることが名前の由来です。 - 世界標準となった「匁(もんめ)」:
質量の単位である「匁」(3.75g)は、日本の真珠の国際的な取引において、世界共通の単位「momme」として現在も採用されています。 - 硬貨の重さと関係性:
かつての日本の硬貨、特に5円硬貨と50円硬貨は、それぞれ「1匁(3.75g)」の重さとして設計されていました。これは、メートル法への移行期における工夫の名残りです。 - わらべ歌「花いちもんめ」:
子供の遊び歌「花いちもんめ」の歌詞にある「花いちもんめ」は、「花(売りに出される少女)の価値がたった一匁(非常に安い)」という意味合いが込められているという解釈があり、当時の厳しい社会背景を反映しています。
まとめ(おわりに)
日本では明治時代以降、国際標準に合わせる形でメートル法への移行が進み、1959年の計量法により尺貫法は公式な取引での使用が禁止されました。
しかし、上で見てきたように、尺貫法は単なる古い単位ではなく、日本の歴史や文化、生活様式に深く根付いた単位系です。「一升瓶で乾杯する」「土地を坪で考える」といった日常の風景は、先人たちが育んできた文化的な慣習の名残りと言えます。公式な単位ではなくなった今も、尺貫法は私たちの生活の中で生き続けています。

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