【特産品シリーズ】但馬牛

但馬牛の雑学

兵庫県北部、但馬地方が誇る「但馬牛(たじまうし)」。世界的にも有名な神戸牛や松阪牛の「素牛(もとうし)」であり、「和牛のルーツ」とも呼ばれるこの牛には、深い歴史と独自の文化があります。ここでは、その知られざる歴史や特徴に関する雑学をまとめました。
目次

但馬牛の興味深い事実

1. 和牛の99.9%のルーツ

現在日本で飼育されている**黒毛和牛のほぼ全て(99.9%)は、但馬牛の血を引いている**と言われています。これは、明治時代以降、但馬牛が優れた血統を持つ肉牛として全国の和牛改良に用いられたためです。

2. 「田尻号」という伝説の名牛

全国の黒毛和牛に多大な影響を与えた種雄牛(しゅゆうし、繁殖用の雄牛)が「**田尻号**」です。美方郡香美町小代区がふるさとで、この一頭の牛の功績が、現在の高級和牛ブランドの礎を築きました。

3. 神戸牛・松阪牛は但馬牛の一部

松阪牛や近江牛といった日本を代表する銘柄牛も、元をたどれば但馬牛の血統です。さらに、**神戸牛は「兵庫県内で生まれ育った但馬牛」のうち、特に厳しい基準(歩留等級や肉質等級など)をクリアしたものだけ**が名乗れる称号です。

4. 約1200年の歴史

但馬牛の歴史は古く、平安時代初期に編纂された歴史書『続日本紀』にはすでに「但馬牛」に関する記述が見られます。当初は農耕や荷物の運搬に使われる役牛として、但馬地方の山間部で大切に育てられてきました。

5. 世界農業遺産に認定

「人と牛が共生する美方地域の伝統的但馬牛飼育システム」は、その歴史的・文化的な重要性が評価され、2023年(令和5年)に**国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定**されました。

まとめ

これらの雑学を知ることで、但馬牛が単なる高級牛肉ではなく、日本の和牛文化そのものを支えてきた特別な存在であることが分かります。地理的条件から閉鎖的な環境で純血が守られ、長い歴史の中で育まれた但馬牛の血統は、まさに日本の食文化の至宝と言えるでしょう。

■引用先
JAたじま
公益財団法人 但馬ふるさとづくり協会 HP
日本地理的表示協議会

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頬袋がいっぱいになるような学びをお届けいたします🐿

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