サッポロビール 雑学まとめ
サッポロビールは、日本のビール業界において非常に長い歴史と革新的な取り組みを持つ企業です。会社の象徴である「星マーク」や、ブランドの裏側には、公式情報に基づいた興味深いエピソードや雑学がたくさん存在します。
サッポロビールの象徴「赤い星」の由来
サッポロビールのラベルに描かれている赤い星のマークは、同社の歴史の原点に深く関わっています。この星は、明治時代に北海道の開拓を担った役所「開拓使」のシンボルマークである「北辰星(ほくしんせい・北極星)」を表しています。サッポロビールの前身である「開拓使麦酒醸造所」が1876年に設立された際、このマークが採用されました。以来、サッポロビールは北海道開拓の歴史とパイオニア精神を受け継ぐ象徴として、星マークを使い続けています。
参照:星のマークの由来
ブランド名の雑学:「赤星」と「黒ラベル」
サッポロビールには、消費者の愛称が公式ブランド名に採用されたという共通の歴史を持つ、二つの象徴的なブランドがあります。
愛称「赤星」
現存する日本最古のビールブランド「サッポロラガービール」(1877年発売)は、ラベルの赤い星から「赤星」の愛称で親しまれ続けています。
愛称「黒ラベル」
現在の主力商品「サッポロ生ビール黒ラベル」は、もともと「サッポロびん生」(1977年発売)という商品名でした。特徴的な黒いラベルから「黒ラベル」と呼ばれるようになり、1989年にお客様の声に応えて正式なブランド名となりました。
サッポロビールのルーツとドイツ
サッポロビールの創設と、冷涼な札幌の地でのビール造りには、ドイツの技術が深く関わっています。明治政府はビールの国産化を目指し、ドイツで本場のビール醸造技術を2年間学んだ日本人、中川清兵衛を招きました。彼は多くの氷が必要なドイツ式の低温熟成ビール(ラガービール)の醸造には、冷涼な札幌の気候が最適であると進言しました。この進言が決め手となり、現在の札幌でのビール造りが始まりました。サッポロビールの歴史は、ドイツで学んだ技術を北海道で活かすという、国際的な視野からスタートしているのです。
参照:歴史紹介
「ヱビス」ブランドと地名の関係
東京の主要な地名である「恵比寿」は、サッポロビールの「恵比寿ビール」に由来しています。1890年に誕生した恵比寿ビールは非常に人気が出たため、1901年に出荷専用の「恵比寿停車場」が開設されました。この駅名が周辺地域の地名となり、「恵比寿」という名前が誕生したのです。
参照ページ:1901年 商品名が駅名、地名に
日本初の缶ビールを発売
サッポロビールは、日本のビール文化においていくつかの「初」を成し遂げています。1899年には銀座に「惠比壽ビヤホール」をオープンし、工場直送の生ビールを提供。日本のビヤホール文化の先駆けとなりました。また、1959年には日本初の缶ビールを発売し、家庭でのビールの楽しみ方を広げました。初の缶ビール缶はアルミではなくスチール缶で缶切りを使う必要がありました。
参照:1959年 缶ビール登場
まとめ
サッポロビールの雑学は、開拓使の時代から続く「パイオニア精神」と、お客様の声や時代の変化に対応する「革新性」に満ちています。「星マーク」の由来や「恵比寿」という地名の誕生秘話など、一つ一つのエピソードが、日本のビール文化を形作ってきたサッポロビールの豊かな歴史を物語っています。

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