3分でわかる商売の知恵|「守破離」とは?仕事で成長する3つの段階
仕事を早く覚えたいとき、「最初から自分らしくやろう」としていませんか?
もちろん工夫は大切です。しかし、基本を知らないまま自己流で進めると、かえって遠回りになることがあります。
そんなときに役立つのが、日本の茶道や武道などで受け継がれてきた「守破離(しゅはり)」という考え方です。
結論:学びは「守る・破る・離れる」の順番で深まる
守破離とは、成長の過程を3つの段階で表した言葉です。
- 守(しゅ):教えや基本の型を忠実に守る
- 破(は):基本を理解したうえで、ほかの方法も取り入れる
- 離(り):学んだことを自分のものにして、独自の方法をつくる
簡単にいえば、「まずまねる。次に工夫する。最後に自分の形をつくる」という成長の順番です。
「守」まずは基本をそのまま実践する
守の段階では、先輩や先生の教え、会社のマニュアル、成功している人の方法を忠実に実践します。
この段階で大切なのは、すぐに自己流へ変えないことです。基本の動きには、過去の経験から生まれた理由があります。まずは繰り返し実践し、型を身につけます。
仕事なら、先輩の接客方法をまねる、決められた手順で作業する、報告の型を覚えるといった段階です。
「破」基本を理解して、より良い方法を試す
基本が身についたら、次は「破」の段階です。
ここでは、ほかの人のやり方を学んだり、自分の経験を加えたりしながら、より良い方法を探します。ただし、単にルールを無視することではありません。
なぜその型があるのかを理解したうえで、目的に合わせて改善するのが「破」です。
仕事なら、マニュアルの目的を守りながら説明を分かりやすく変えたり、作業時間を短縮できる方法を試したりする段階です。
「離」自分の方法を確立する
最後の「離」は、教わった型を十分に身につけたうえで、自分なりの方法を確立する段階です。
基本を忘れるのではなく、基本が自然にできるほど身についた結果、状況に合わせて自由に判断できるようになります。
優れた経営者や職人、指導者が、それぞれ独自の考え方やスタイルを持っているのは、「守」と「破」を積み重ねてきたからとも考えられます。
守破離はどこから生まれた?
守破離は、茶道や武道をはじめとする日本の芸道で、修業の段階を説明する言葉として広まりました。
その由来には諸説ありますが、江戸時代の茶人で、江戸千家の流祖である川上不白(かわかみふはく)の教えと結び付けて紹介されることがあります。
川上不白は1750年に京都から江戸へ移り、千家の茶の湯を広めました。伝統を受け継ぎながら、江戸の文化に合った独自の茶風を築いた人物です。
川上不白と江戸千家の歴史については、江戸千家「川上不白と江戸千家」や、江戸東京博物館「川上不白と江戸千家展」で紹介されています。
仕事で考える守破離の例
たとえば、新しく営業の仕事を始めた場合は、次のように考えられます。
- 守:先輩の説明方法や営業資料をそのまま使う
- 破:お客さんの反応を見ながら、説明の順番や言葉を改善する
- 離:自分の強みを生かした営業方法を確立する
スポーツの指導、接客、プログラミング、料理など、基本を学んでから自分の方法をつくる仕事には幅広く当てはまります。
よくある失敗は「守」からすぐに「離」へ進むこと
守破離で最も注意したいのは、基本を十分に学ぶ前に「自分のやり方」を始めてしまうことです。
基本を理解した人が型を変えるのは「型破り」ですが、基本を知らずに型を無視すると、単なる自己流になりかねません。
思うような結果が出ないときは、「工夫が足りない」と考える前に、まず基本の型を正しく実践できているか確認することも大切です。
まとめ:基本を守ることが独自性への近道
守破離は、ただ言われたことを守り続ける考え方ではありません。
基本を学び、意味を理解して改善し、最後に自分の方法へ発展させる。この順番を示した成長の考え方です。
新しい仕事や技術を学ぶときは、「今の自分は守・破・離のどの段階なのか」と考えると、次に取り組むことが見えやすくなります。
人に話すなら、この一言
「守破離とは、まず基本をまねて、次に工夫し、最後に自分の形をつくるという成長の順番だよ」
コメント