3分でわかる商売の知恵|「パレートの法則」とは?売上を生む20%の見つけ方
「売上の8割は、2割のお客さんから生まれる」という話を聞いたことはありませんか?
これは、ビジネスでよく使われる「パレートの法則」という考え方です。
すべてに同じ時間やお金をかけるのではなく、結果に大きく影響している部分を見つける。そのためのヒントになります。
結論:成果の多くは、一部の重要な要素から生まれる
パレートの法則とは、成果の約80%が、全体の約20%の要素から生まれる傾向を表した経験則です。
「80対20の法則」とも呼ばれ、ビジネスでは次のような例で説明されます。
- 売上の約80%が、約20%の商品から生まれる
- 利益の約80%が、約20%の顧客から生まれる
- 問い合わせの約80%が、約20%の原因から発生する
- 仕事の成果の約80%が、約20%の重要な作業から生まれる
つまり、「すべてが同じ重要度ではない」という考え方です。
パレートの法則は、どこから生まれた?
名前の由来は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートです。
パレートは19世紀末のヨーロッパにおける所得などの統計を調べ、一部の人に富が集中する傾向を見いだしました。
その後、品質管理の専門家であるジョセフ・M・ジュランが、この考え方を品質改善に応用しました。多くの問題は、少数の重要な原因によって引き起こされると考え、優先的に取り組む原因を見つける方法として広めました。
詳しい解説は、野村総合研究所「パレートの法則」や、Juran「Pareto Principle and Pareto Analysis」で確認できます。
80対20は、必ず一致する数字ではない
パレートの法則で注意したいのは、必ず80%と20%に分かれるわけではないことです。
実際には「売上の70%を30%の商品が生んでいる」「利益の90%を10%の顧客が生んでいる」といった場合もあります。
80対20という数字そのものよりも、結果が一部の要素に集中することがあるという点が重要です。
売上で考えるパレートの法則
たとえば、100種類の商品を販売しているお店があるとします。
売上を商品別に並べてみると、上位20種類の商品だけで、売上全体の約80%を占めているかもしれません。
この場合、次のような判断ができます。
- 売れている商品の在庫切れを防ぐ
- 人気商品の売り場や紹介ページを改善する
- 人気商品と一緒に購入される商品を提案する
- 売上への影響が小さい商品を整理する
限られた時間や予算を、成果に大きく影響する商品へ優先的に使えるようになります。
仕事の優先順位にも使える
一日の仕事をすべて同じ重要度で扱うと、忙しいのに成果が出ない状態になりがちです。
まず、抱えている仕事を書き出し、次のように考えてみましょう。
- 売上や利益に直結する仕事はどれか
- お客さんの満足度に大きく影響する仕事はどれか
- 放置すると大きな問題になる仕事はどれか
- 自分にしかできない仕事はどれか
重要な少数の仕事を先に終わらせることで、同じ時間でも成果を大きくできる可能性があります。
問題解決にも使える
パレートの法則は、売上を伸ばすときだけでなく、問題を減らすときにも役立ちます。
たとえば、お客さんから寄せられたクレームを原因別に集計すると、少数の原因が大部分のクレームを生んでいることがあります。
発生件数の多い原因から改善すれば、すべての問題へ同時に取り組むより、効率よくクレームを減らせます。
「残りの80%は不要」という意味ではない
パレートの法則を知ると、「成果の小さい80%は切り捨てればよい」と考えたくなるかもしれません。
しかし、今は売上の小さい商品が将来の人気商品になることもあります。購入額の小さいお客さんが、口コミで新しいお客さんを紹介してくれることもあります。
重要なのは切り捨てることではなく、どこに多くの成果が集まっているかを知り、時間や予算の配分を考えることです。
ジュランも、少数の重要な要素だけでなく、残りを「役に立つ多数」と捉える表現を用いています。
実際に使うための3ステップ
- 数字を集める
商品別売上、顧客別利益、問い合わせ原因などを集計します。 - 大きい順に並べる
どの商品や原因が結果に大きく影響しているかを確認します。 - 重要な部分から改善する
上位の商品を伸ばす、発生件数の多い問題を解決するなど、優先順位を決めます。
最初から「20%が重要なはず」と決めつけず、実際の数字を確認することが大切です。
まとめ:全部を頑張る前に、重要な部分を見つける
パレートの法則は、成果の多くが一部の重要な要素から生まれるという経験則です。
人・商品・仕事を単純に切り捨てるための法則ではありません。限られた時間やお金を、どこへ優先的に使うべきか考えるための道具です。
忙しいのに成果が伸びないときは、「結果を大きく動かしている少数の要素は何か」を調べてみると、改善の入口が見つかるかもしれません。
人に話すなら、この一言
「パレートの法則とは、成果の約8割が約2割の重要な要素から生まれるという考え方。ただし、80対20は絶対の数字ではないんだよ」
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